30.7%が食費減、でもキャッシュレス決済は増加! 消費税増税とキャッシュレス還元事業はどんな変化をもたらした?

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はじめに

昨年10月の消費税増税から、「飲食店・イートインでの食事」が10%適用になりました。

大手レストランチェーンのいくつかはテイクアウトや冷凍食品開発など中食・内食産業にシフトチェンジする一方、中小・個人経営のお店は急遽お弁当の販売を行うなど、業界全体が振り回された変更だったといえます。

一方で、同時期に開始した「キャッシュレス還元事業」により、キャッシュレス決済を選べば従来の税率で食事をすることも可能に。日本ではまだまだ根強い現金派には厳しい政策で、これも賛否両論があります。

さて、昨年に起きたこの2つの大きな変革は、人々の食費にどのような影響をもたらしたのでしょうか。

20代男女では高い割合で食費が減った!

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株式会社リクルートライフスタイルの調査によると、消費税増税以降で食費の出費が減った人は30.7%。およそ3人に1人の割合です。特に、20代男女で顕著な変化が起きており、どちらも「食費が減った」と答えた割合が36%を超えました。

また、節約方法でも最も多いのが、全年代を通じて「自炊」でした。20代では男女問わず自炊を選ぶ人が多く、女性に限っては中食(持ち帰りやデリバリーを利用した食事)も増加。
一方で、消費税が10%となる「イートインでの食事」は27.9%減と、増税の影響が露骨に見えてくる結果となっています。
これらのことから、今まで外食を利用していた人が、自炊のほかに消費税8%のイートインやデリバリーを積極的に利用し、なるべく出費を抑える動きをしたことが分かります。

また、多くのお店が、仕入れや店舗の維持費にかかる消費税が増加したことでメニューの全体的な値上げを行っています。5%から8%の時は据え置きを保てていた金額でも、今回ばかりは値上げしなければ成り立たたないためです。
結果的に、外食1回当たりの額が大きく値上がりし、出費を抑えたい消費者の選択肢から外れてしまっています。
心理的に「高くつく」という印象を持つことで、外食へ及び腰になっているのもあるでしょう。

どちらにせよ、外食産業界が大打撃を受けているのは確かです。

飲食店でのキャッシュレス決済は増加

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一方で、キャッシュレス決済に関しては前向きな結果が出ています。
同調査によると「増税前にキャッシュレス決済を利用していなかったが、増税後に使い始めてキャッシュレス還元事業の恩恵を受けた」人の割合は、全体のおよそ11%。また、「増税前に利用していなかったが、今後利用するつもり」の人はおよそ20%もいることが分かりました。

ポイント還元に伴ってキャッシュレス決済を利用した人の感想で最も多かったのは、「支払が早く済む」というものです。交通系電子マネーであれば支払は一瞬で済みますし、QRコード決済も店舗が読み取る方式であればクレジットカードと大差ありません。

また、キャッシュレス決済ならではの感想が「財布を持たなくていい」というものです。クレジットカードだとあまりピンと来ないかもしれませんが、QRコード決済と一部の交通系電子マネーはスマホさえあれば利用可能です。
ランチ時などは、いちいち鞄を持ったり重たい財布を手に持ったりしなくても、ポケットや懐に薄いスマホを入れておけばいいのですから、かなり身軽に動けますよね。

キャッシュレス決済がもたらす「お得感」と外食との相性

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現在、PayPayは「対象の飲食店で50%返ってくるキャンペーン」や「まちかどペイペイキャンペーン」などを実施しています。対象は大手チェーン店が中心で、ブランド独自の還元プランを立てているところが目立ちます。
一方で、個人店などは大きな割引の対象になっていないことも多く、「行きたい店が安くなっているわけではない」というジレンマも発生しがちです。実際、同調査でも「キャッシュレス還元に対応している店が少ない」と感じる人が、全体の23%に及んでいます。

では、キャッシュレス決済で政府の還元事業なしにお得感を打ち出せない店舗は、還元事業が終わった後に再び苦しい思いをすることになるのでしょうか。
ここで注目したいのが、「キャッシュレス還元事業が終わってもキャッシュレスを使い続けたい」と答えている層の存在です。調査機関によって結果はまちまちですが、株式会社リクルートライフスタイルの調査では増税前の利用有無に限らず「今後も利用し続けたい」と答えた人の割合は75.6%、ゼネラルリサーチ株式会社の調査では「ポイント還元が終了しても利用し続けたい」と答えている人が86.3%と、どこでも概ね好意的・前向きにキャッシュレス決済を捉えている割合が高くなっています。

また、株式会社リクルートライフスタイルによる調査内の「キャッシュレス決済を使った感想」から、キャッシュレス決済に対する考え方がポジティブな世代は、男性は20代から60代まで幅広く、女性は20代を中心に分布していることがわかります。
先述したように、会社勤めの方であれば「ランチタイムにスマホだけ持っていればいい」というのは非常に楽です。また、お釣りが出ないように小銭を探してもたつくくらいならキャッシュレス決済でさっさと払ってしまった方が、支払う側と会計処理をする側両方にとって効率が良くなります。
キャッシュレス決済は、「慣れ」は必要かもしれませんが、一度慣れてしまえば双方にとって無駄な時間を減らすことができ、浮いた時間を店内接客に気を配る方へ充てることもできます。

「丁寧な接客を心掛けたい」という店舗も、「なるべく回転率を上げたい」という店舗も、考え方次第でキャッシュレスの恩恵を受けられるのではないでしょうか。

おわりに

キャッシュレス人口が増えたことに伴い、「よく使うキャッシュレス決済に対応しているか」が判断材料のひとつになり得る時代になってきています。
一方で、「種類が多くどれを使ったらいいのか分からない」や、現金派に共通する「いくら使ったのか分かりづらく怖い」などの意見もあります。

問題なのは、これらの不安に対しての回答となる「自分の生活圏や使っている他のサービスと連動しているか等で利便性と恩恵が計れること」や、「今はスマホのアプリで利用履歴と合計金額をすぐに見れること」といった「キャッシュレスをはじめるのに知っておきたい情報」を、誰もがすぐに手にできるわけではないという点です。
「情報弱者」という言葉がニュースサイトなどで一般的に利用されるようになった現在、個人が持つIT・ネット環境とリテラシーの高低差が、そのまま様々な面で差を生んでしまう状況であることは否めません。
このような還元事業の恩恵を誰もが同じように受けられるよう、情報取得環境や指導・伝達環境を整えることは、社会全体の課題といえます

逆に言えば、このようなリテラシーの差を埋められるようなサポートがもっと浸透していけば、キャッシュレス決済の普及も進んでいくことと思います。
問題がひと通り解決した先でいざ「カードで払いたいんだけど」「○○ペイ使えますか?」と言われた時に、対応できないのはもったいないことです。店舗側も今のうちに、できるものから導入していくといいかもしれませんね。

 

筆者プロフィール

teatime

広報担当 無糖ティータイム

入社11か月に突入。現在はコラム「UP College」を中心にWebサイトのライティング、オフラインでの配布物作成などを行っている。最近は新卒面談などで学生と話す機会があるため、少々ノスタルジック。趣味は旅行で、アジア圏ではタイ・ベトナム・台湾を訪問済み。次はキャラバン隊へ参加してシルクロードを横断することを目標に、日々の業務へ取り組んでいる。

最近の出来事:当社もついにリモートワーク。ということで、なかなか手を出せずにいた「超快適」とウワサの高性能座椅子を準備しました。腰や首が痛くならないのでデスクワークがより楽になりましたが、退勤後もそのまま趣味に突入できるくらい居心地がいいので、「魔の座椅子」と呼ぶことにしています。