amazon paymentsの決済手数料は?業界への影響は?

みなさん、ゴールデンウィークはいいお休みにできましたか?私も家族らと田舎を満喫し、リフレッシュしてきました。
そこからは毎年恒例、五月病と陽気からくる睡魔と毎日必死に戦っていましたが、一気に目の覚めるようなニュースをこのほどキャッチしました。

amazon payments
そう、amazon payments(アマゾンペイメント)です!実は以前から米国ではサービスを行っており、AWS(amazon web services)内で目にする機会はありましたが、ついに日本上陸です。
今回は、誰もが気になるであろうその決済手数料と、業界に与える変化の考察です。

「amazonが競合」の意味

みなさんも、以下をご一読ください。

 iPhoneはすばらしい製品であり、ユーザーはジョブズが設定した値段を喜んで支払う。何も問題はないように見えるが、ベゾスに言わせればそれが失敗なのだ。つまりこの分野でiPhoneがそれだけの利益を上げられたのであれば、利益率を少々削れば価格優位な製品が作れると広く認識させてしまった。
<中略>
通常、価格競争はある分野で優位に立った企業に対して後発企業が仕掛けるのが通例だ。しかしアマゾンは、「先制価格戦争」あるは「予防的価格戦争」を仕掛ける。新事業のスタートの際に意識的に赤字覚悟の料金を設定する(ちなみに、その時点で競争相手は存在しないから被害を受ける相手もいないので反トラスト法が定める不正競争行為に該当しようがない)。

引用元:日経ビジネスオンライン「タフな交渉で相手をたたきつぶすのがアマゾンの文化」

受け止め方はお任せしたいところですが「こういうところ」が正式に競合になったという事です。
住所とカード情報の入力、というネットショップの「面倒くさい手続き」が一掃されるばかりか、安価(手数料2.9%+処理料¥35/件程度※)で提供されるということ。※・・・日本では未発表のため本国同等と予測。
Fees of Amazon Payments
もはや「ネットでの物販」において決済代行会社なんか必要ないと思えてきます。決して大げさではなく。

インパクトは大きい?

AppleIDの利用者は世界で5億人居ると言われていますが、一方のamazonはID利用者を公開していません。しかし公式に

日本では2012年の5月時点で月間訪問者が4800万人を超えた

と発表しています。日本だけでですよ!
仮に1割が購入に至り、その半分がカード登録したとしても、月間で28万人。3年前の数値ですから、累積会員は少なくとも1千万人は居るでしょう。
世界規模、かつアクティブユーザーで見た場合、AppleIDの利用者数を上回る(※)はずです。
※・・・AppleIDは通算で、非アクティブを減算していないと予測。今後も格安スマホ浸透で減る見通し。なお世界人口は約70億2千万人で、14人に1人がAppleIDを継続利用しているとは思いがたい。
以上からインパクトは特大!と断言できます。
それでは、これによって起こる「近未来的な業界変化」を、例によって3か条で解説しましょう。

1. カートASPは、導入を急ぐ

日本ではフューチャーショップが、一番乗りでカートASPへの実装を発表しました。さすが仕事が早い!私たちも見習わなくてはなりませんね。
futureshop
利便性が売り物のカートASPにとっては、今でこそ「差別化のための早期実装」ではありますが、近年中に「使えて当たり前」になっている事も容易に想像できます。何しろCVR(成約=購入率)が跳ね上がるでしょうから。
そして彼らは、われわれ決済代行会社に多数の新規契約もたらしていますが、その構図も崩れていきそうなものです。

2. 「手間省き」の競争が加速

これは販売者にも利用者にも、大変ありがたい事で「ネットで物が買いたいけれど、文字の入力が面倒で・・・」という方がいなくなる訳です。
この影響は単純にeコマース業界が活性化するのでなくネットで買えるものは、お店で買わないという方が増加し、日本の流通が様変わりする事もあり得ます。Googleが自動車を出したら運転手どころかディーラーもガソリンスタンドも全部ぶっ飛ぶ話と同じ規模の変化、つまり「モノの小売」の存在意義が揺らぐかもしれませんね。

3. 決済手数料の相場が崩れる

最後に私たち、決済代行業者の行く末です。お馴染みの「業界見取り図」をご覧ください。詳しい見かたは、以前の記事をご参照ください。かつて「客と店舗ので空白だった部分」が、私たちの「活躍の場」でした。
red ocean!
一元的な見取り図とは言え、もう息が出来ないほどのレッドオーシャンになりました!もう新規参入には旨味が無いのでは?(苦笑)
元々難しかった決済代行業界の「サービスの差別化」ですが、それが出来ておらず「ただ決済できるだけ」の企業のままでは、主な収入源である決済手数料の値下げを余儀なくされ、淘汰が進みそうです。

まとめ:ネット物販界は大変革が続く

これまでお話した通り、いわゆる「ネット物販界」は今後も大変革が続いていく事でしょう。上手く共存するか、私たちも別のフィールドの模索と確保を続けていく必要があります。
・・・実は気がかりな事もここまで大絶賛してきましたが、実はリスクの匂いも感じています。それは購入履歴をamazonが入手する事です。すると何が起きるでしょう?
顧客の動向が分かれば、精度の高い追跡広告が出せます。つまり「リピートはamazonで!」とでき得るので

小売店が種を蒔き、amazonが刈り取るという図式が成り立ちます。
これはすごい事です。マーケティングが他力本願かつ完全に自動化されているようなものです。まるでゴンベさんとカラスの諺ですね!むしろ手数料を無料にしてもお釣りが来るんじゃない?(笑)
ゴンベさんとカラス
現状の規約では、それが「できる」と読み取れますが、何かと広告界隈の適正化が急速に進んでいる現在、どうなっていくかが楽しみです。

小売店に出来る努力は?

以前も書きましたが、eコマース事業者様の収益を安定化させるには、継続利用を促す事が非常に効果的です。
仮に「気がかりな事」の通りだったとしてもリピートさせる仕組と動機づけが出来上がっていれば心配ありませんし、今後はその辺りのソリューションが盛り上がりそうです。
なお、私は本件で全く悲観しておらず、むしろワクワクしています。これからも「HARD THINGS」は沢山出てくると思いますが、楽しんで立ち向う所存です。(GW中に読みました)

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