時代を先掴み!これから日本で広まる「ミニアプリ」とは何か!

アップライズ3

UPCが開催するセミナー「アップライズトーク」第三回目のテーマは「ミニアプリ」。講演者に日本SNS最大手のLINE、中国最大級のスーパーアプリのAlipay、日本での越境EC・ミニアプリ制作のパイオニアのトリオとビッグネームが勢ぞろいした。

ミニアプリはスーパーアプリという生活のすべてを網羅するアプリに連なるアプリのこと。既存アプリと違い、ダウンロードや個人情報の入力をすることなく、サービスが利用可能になる。

アプリが乱立する今の世では、アプリをユーザーにインストールさせるのは相当困難となっている中、スーパーアプリから導線が完備されているミニアプリは新たな潮流となる。現に中国では、ミニアプリは当たり前になっていて、通常のアプリはもはや見向きもされないほどだ。

ではミニアプリとは何者か。ビッグネーム3社の講演内容をまとめた。

◆講演者(敬称略)

アリペイジャパン㈱ マーケティング部 スペシャリスト 曹欣(ソウ・キン)
トリオシステムズ㈱ ソリューション事業部課長 袁丹(エン・タン)
LINE㈱ B2B新規事業開発チーム 武藤ウォーレン道夫

業界屈指のスーパープレイヤーが一堂に会した。

LINEの事例

1、アフターコロナで進むOMO

LINEの考えるOMO

LINEは日本国だけで9000万ID以上。もっとも浸透しているアプリなのは間違いない。

コロナ後はOMOが加速するという。

OMOは「Online Merges with Offline」の略称で、日本語に直訳すると「オンラインとオフラインを併合する」という意味。

LINEが描く未来図とは果たしてどのようなものか。

既に消費者の多くがスマートフォンを所有していて、情報伝達に広く用いられている。
情報はデジタル化され、管理分析さらに利用できる環境は整っている。

消費者と事業者のコミュニケーションには3段階ある。

最も広く浅くなのがテックタッチと言われるデジタルでの接点。
続いてロータッチ(人・場所の接点)、ハイタッチ(人接点)に収束していく。

アフターコロナで重要戦略は、テックタッチをいかに広げられるか。すでにデジタル領域での顧客接点獲得のために投資が広く進んでいる。

テックタッチとはどのようなものかを示す図

2、LINEでのミニアプリ

LINEでのミニアプリの展開はいかに

LINE社はすでにミニアプリを国内展開していて、決して未来のことではない。

今後さらに広く・高い利便性へと昇華されるはずだ。

利点はやはりアプリの新規ダウンロードや会員登録という障壁をなくし、顧客獲得をより有利にできる点。

サービス利用者は利便性が高まり、企業としては公式アカウント(旧ライン@・非個人でも開設できるアカウント)の友だち(登録者)が増え、ブランド力向上につながりやすくなる。さらにミニアプリ利用者のLINEユーザIDを捕捉できる点も魅力。情報発信の方法が複数確保できる。

これにより、企業サービスの価値の最大化を実現する。

ラインミニアプリは、旧来のウェブサイトとネイティブ(自社開発)アプリ双方の利点を有する。
利用開始は簡単で、新規開発やダウンロードを促すこともない。一方でウェブサイトと違い、友だち登録などの形で「ファン」を形成し、訴求が可能だ。

利用の流れの特徴として、リアルとオンラインの融合がある。

店舗の来客者はQRコードひとつでお店のミニアプリを無登録無手続きで利用開始ができる。
一般的なアナログのポイントカードと違い、オンライン上でも顧客とやり取りが可能だ。
そして再来店を促すことができる。当然、顧客の行動や客層などのデータを取ることも手間なく実施できる。

先行事例

LINEミニアプリは既に様々なところで利用されている。

・店舗内のテーブルオーダー

・順番待ちのオンライン化

・会員証

などのような使い方も可能で、実際に利用されている例の一部だ。

もちろんこれらを組み合わせることも可能。しかもユーザーも企業側も高いスキルやプログラミングの手間、会員登録等を必要としない。

企業側のみならず、ユーザーのコストや障壁もなくせるのが、特徴だ。

アリペイの快進撃

ミニアプリは中国本土ですでに日常だ。また日本よりかなり進んでおり、すべての生活はスーパーアプリ内で完結していて、まさにインフラと化している。

そんな中国の中でもリーダーシップを取るスーパーアプリ「アリペイ」はどのように運用され、どのように利用されているか。事例を聞いてみた。

アリペイとは

アリペイ(アリペイミニアプリ)は交通から公共サービス、医療、購買、金融、旅行などすべてを網羅している。すべてが単一のアプリの中で完結する。

月間アクティブ数7億人超え
ミニアプリ月間アクティブユーザー数6億人超え
累計ミニアプリ数200万個

と破格の数値となっている。

日本は実はアリペイと強い関係を持っている。
一例として、本国を除くと2019年の取引件数世界一は日本だ。

アリペイはUX(User Experience・ユーザー体験)を重視している。

まず、ミニアプリに辿り着くには、通常のQRコードやユーザー検索の他に、アリペイアプリ内でミニアプリへの導線はいくつもあり、さらに利用者が特別な操作をせずとも、自然と行き着くように設計されている。

またミニアプリは、ダウンロード不要なため、導線が多くよりシームレスに導入してもらえる。既存のアプリ等と比べると、よりファンを獲得しやすく、訴求もしやすくなる。

ミニアプリを運営する店舗などは顧客に対し、よりストレートに情報を発信できる環境にもなる。

ミニアプリ運営者はさらにライブ配信やリアルタイムでのオンライン販売も可能で、よりユーザーを囲い込み、離さない施策が可能だ。

マーケティングとプロモーションに関して、自社特典の提供することや、アリペイの大型キャンペーン時に参加することなどで、新規ユーザーの誘致につながる好条件だ。

また、ミニアプリは企業ニーズーに対して、自由に開発できるため、自社顧客のカスタマー図ジャーニーに沿ったUI、UX設計できる。

さらに、から自社のシステムにも接続できるため、一元化のデータ管理が可能だ。

トリオシステムズ

トリオシステムズは日本でのミニアプリ開発・導入のパイオニア的存在。

ミニアプリというものが日本で認知される遥か以前から、中国との関係を構築し、スーパーアプリやミニアプリにかかわってきた。

ミニアプリの概説

独自に作り上げた中国スーパーアプリとの関係性を生かし、日本でのミニアプリ展開の騎手となっている。

同社のミニアプリ製品群としてはEC、飲食店、イベント予約、商品予約、不動産の5分類がある。

その中でも、今の日本にはEC(オンライン決済+海外直送・越境EC)と飲食店(オンラインでの注文・決済)の2つの分野が「熱い」という。

コロナ禍でのオンライン需要の高騰はもちろん、コロナ後にも既存アプリに比べて高いファン獲得能力が生かせる。しかも既存アプリと比べて、安く、短期間で導入できる点も魅力としている。

越境ECではミニアプリの良さがさらに出せる。中国のユーザーを捕まえるには中国では「当たり前」となっているスーパーアプリからアクセスできるミニアプリの存在は大きい。

中国ではすでにWebサイトを見ないし、アプリをインストールすることも日常ではほとんどしていない。中国人はスーパーアプリのみで生活していると言っても過言ではない。Webサイトやアプリを制作することは中国に対して売るならほとんど意味をなさない。

同社は中国との関係を生かし、越境ECの環境構築にも力を入れていて、得意だ。

中国の先進事例をフルに安く導入が可能な体制も

中国や中国語がわからない日本の店舗や販売者でも、同社のようにすべてお任せする会社があることで、より安心・安全に越境ECなどが可能になる。「簡単、早い、安い」というミニアプリの良さをフルに生かすことができそうだ。

中国や中国語がわからない日本の店舗や販売者でも、同社のようにすべてお任せする会社があることで、より安心・安全に越境ECなどが可能になる。「簡単、早い、安い」というミニアプリの良さをフルに生かすことができそうだ。

決済はオンラインもオフラインも新時代に差し掛かっている

中国のミニアプリの日本の進出や、日本独自のミニアプリの開発など、時代は早く・大きく動いている。情報が命の時代が来ますが、日本ではまだまだ知られていない用語や概念がたくさんあります。。

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筆者プロフィール

teatime

編集長 例のりす

決済を利用するすべての人へのメディア「UP College」の編集をしている人。なんでも興味を持ってしまい、広く浅くを通してしまって何かと手に負えなくなっている。

対象がインドア・アウトドア問わずなのでコロナ自粛生活だろうと解禁されようと相変わらず時間が足りていない。