スマホアプリはもう流行らない?これからはミニプログラムの時代

ミニプログラム

ただ単にスマートフォンのアプリを作る時代は終わった。世界ではミニプログラム(ミニアプリ)が浸透している。

ミニプログラムが今、世界的潮流になっていることはご存じだろうか。

中国が世界をリードし、アメリカでもApple等がそれに追随しようとしていて、日本は遅れをとっている。

そんな日本の現状を変えようとしているのが、日本でのミニプログラムのパイオニアである株式会社ACD(古井 弘道 代表取締役)だ。

ミニプログラムとは何か。どういう利点があり、これからどうなるのか。ACD事業統括部の足立拓也部長に聞いてみた。

ミニプログラムとは

ミニプログラムというのは、利用者の多い既存のアプリの中の1つの機能として組み込むアプリのこと。

日本では、今や大企業はもちろん個人店舗に至るまでアプリを作っているが、乱立していてダウンロードしてくれる人を増やすことは開発費より遥かに手間やコストが掛かる。

そこで活躍するのがミニプログラム。既存の大規模アプリの1つの機能として参入することで、ダウンロード数を稼ぐ努力はせずに、すぐに大規模アプリの既存利用者に利用してもらえるようになる利点がある。

アプリで覇権を取るのは至難の業で、利用者を独占するまで膨大な赤字を出しつつライバルを徹底的に追い出していく必要がある。そのような競争に参加できる企業は限られる。相当な先行投資をし、失敗時には大ダメージも覚悟しなければならない。

一方でミニプログラムならば、すでに覇権を取ったアプリの利用者全員へ最初から訴求が可能となる。

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世界のアプリ事情

中国では、覇権を取ったアプリ運営会社(アリババやテンセント)に繋がるミニプログラムが世界でも早くから展開しており、今では当たり前になっている。

足立部長は「中国人はもうパソコンを使うことは仕事以外ではないし、インターネットブラウザで検索することも少ない」という。WeChat(微信)には生活に必要な全ての機能が集合しているからだ。スマートフォンさえあれば情報検索はおろか、購買、手続き、その他生活に必要なすべてが行える。

世界を見てみれば、中国やアメリカなどを中心に、LINEが足元にも及ばない膨大な利用者数とシェアを持つアプリが点在している。特に中国では早くからミニプログラムが浸透していた。

日本では、LINE(ライン)が覇権と言っていい利用者数を確保している。しかし、生活すべてを完結するアプリとはまだ言えない。

中国人は訪日客も含め、インターネットブラウザで検索することは少なく、日常生活で使うアプリに入っていない機能は見向きもしない。

すべての生活はスマートフォンと特定の数個のアプリだけで成り立っているのだ。

ACD社がつなぐ日本のミニプログラム

ACD社は「日本に興味を持つ中国人に、日本の良さを広めたい」と語る。日本の情報を中国に発信しようとして、いくら高機能・高性能なサイトやアプリを作っても、中国人がキャッチすることはない。情報規制があるからだ(=グレートファイヤーウォール)。だが、WeChatなど中国で日用に役立てられているされるアプリに機能として組み込まれれば、インターネットサイトを作ったり、アプリをイチから作るより遥かに浸透が容易になるだろう。

ACD社は日本資本で唯一、サブスクリプションで中国の大手資本アプリ(WeChat=テンセント)にミニプログラムとして食い込める窓口を持っている。

WeChat内部のミニプログラムを日本国内ではACD社含め数社しか開発ができる企業がいまない。その開発できる企業でもスクラッチ開発(イチからすべて開発をする)がほとんどで、開発より手軽かつ素早く導入できるサブスクリプションでの提供はかなり珍しい。

中国企業は中国国内企業で固めることが多い中、このような関係が持てたのは、信頼性の高い企業だったこともあり、まだミニプログラムが出始めた黎明期に、中国側からも話を持ち掛けられたことからだ。

中国人の「爆買い」が話題だった頃に、中国政府が旅行客やEMSの締め付けを厳しく取り締まった。そこで正規に税金の収受できるようにするために越境EC統合税を施行した。ACD社はいち早く、越境EC統合税に対応したプラットフォームを立ち上げ、太い繋がりと信頼を築いた。

ACD社の強みを生かした今後の展開

ACD社の強みは日本資本であることから「完全に日本企業向けに展開でき、手厚いサポートが可能」という。また「我々はあくまで裏方。ベースを作って提供する黒子の役割だ。パートナー企業さんらと一緒に立ち上げていきたい」とも話す。

「WeSearchはまだローンチしたばかりだが、日本での展開には特に障壁になりそうなことは見当たらない」という。WeChatなどすでにユーザー数があり、かつ世界的な流れでもあるミニプログラムは日本でも今後、広まることになるという。

当面の課題は、日本はまだミニプログラムの概念が浸透していないことで、個々に説明が必要になっていること。「まだミニプログラム自体は日本であまり認知されていないこともあり、今後問い合わせや質問が多くなると予想される。その対応も検討している」という。

あくまで裏方に徹するとするACD社では、丁寧な説明を心掛け、仕組みを提携企業と共に作っていくという姿勢を貫く。「『親身になる』ことを大事にしたい」と話した。

現在、ミニプログラムで問合せや引き合いがあるのは、地方自治体や空港・大手航空会社だという。

「地方自治体と言っても、都市部ではなく地方が中心。地方の県や市では、積極的に情報を海外発信したい意欲が強い」という。空港やANAをはじめ国内の主要空港・航空会社が名乗りを上げている。

情報発信の方法が多岐に渡り、アプリも乱立するこの時代。正しい情報発信の方法を用いないと、一切見てもらえないのが当たり前になっている。サイトやアプリを作っても見てもらえないことが日本でも当たり前になりつつある。ミニプログラムは新たな情報発信源として注目すべき手段のひとつになりそうだ。

取材協力 株式会社ACD http://www.a-cd.co.jp/

筆者プロフィール

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編集長 例のりす

決済を利用するすべての人へのメディア「UP College」の編集をしている人。なんでも興味を持ってしまい、広く浅くを通してしまって何かと手に負えなくなっている。

対象がインドア・アウトドア問わずなのでコロナ自粛生活だろうと解禁されようと相変わらず時間が足りていない。

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