アフターコロナのインバウンド戦略

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日本の感染者数は東京でも50人を下回り、全国でも500人を下回る日が続いています。
しかし旅行業やインバウンド関連企業は依然として厳しい状態が続いています。

中でもインバウンド客向けのお土産品店、免税店、ドラッグストアは閉店ラッシュです。日本のコロナ感染者数が減って緊急事態宣言がほぼ全面的に解除されても、全世界のコロナ事情を見ると、まだまだ海外旅行再開は当面先となることが予想されているからです。

インバウンド需要を狙った業態やあるいはターゲットを訪日アジア人客だけに振り切ったような店は、今のタイミングで5~8割引の大盤振る舞いをして閉店セールを行い、撤退をしています。GoToキャンペーン案が出るなど、旅行需要に望みが出始め動きだした国内客向けの事業者と明暗がくっきり分かれています。

中国でも国内旅行は復活の兆しがありますが、それも国内の話。越境に制限がある現在ではまだまだ海外旅行は見通せないままです。アリババの調査でも、来年の海外旅行再開はコロナ前の2割程度と低めの予想です。

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インバウンドはどうなるか

ではインバウンドは「オワコン」なのかというと、そうでもありません。むしろその逆で、中国人や韓国人客はアフターコロナに備えていて、海外旅行が再開されたらまず最初に日本に行くという人がかなりの数います。

ペイサー株式会社と株式会社YICHAが昨年共同で行った調査ではコロナ収束後に日本旅行に行きたいかという調査では中国人の95%、台湾人の88%が「行きたい」と答えました。

この調査は日本に興味がある層へのアンケートであるため、特に高い数値となっていますが、他の調査でも概ねコロナ後の旅行先として日本がNo.1になりがちで、とても期待値が高い状態です。

さらに期待が持てるのは、リピーターの多さです。一度行って期待外れだったという観光地を皆さんも1度くらいは経験されているかもしれません。あるいは満足はしたが一度行けばもういい、という例もあるでしょう。

アジアからの旅行客は他の国からの旅行客よりもリピーターが多い傾向があります。観光庁がコロナ前の2017年に行った調査では、全中国人旅行客のうち1761万人(全中国人旅行者の約2割)がリピーターでした。その数はコロナ前まで毎年数百万人単位で増えていましたので、かなり日本旅行に満足していることがうかがえます。※リピーター数は中国がトップですが、リピーター率は韓国人の3割がトップです。

中国では日本旅行経験者がポジティブな意見をSNSに投稿する例が多く、人口上位1割以下の富裕層中心に、日本旅行を自慢する投稿が多くなされています。日本への旅行が一種のステータスとなっているとも言え、日本旅行需要にさらに拍車をかけています。

確実に来るインバウンド需要を掴もう

海外旅行の再開時期はどの国のどの調査機関でも明確な答えが出せずにいます。日本では少なくなってきたとはいえ、ロシアでは過去最大の感染者数を出す事態となり、欧州等ではワクチンデモなどがあり接種率の上昇が緩んでいて、いつの間にか日本がコロナワクチン接種率でアメリカを抜き、世界でも上位に位置するようになっています。

北京五輪も海外客を入れない調整がされるなど、海外渡航のハードルは当面低くならないことは確かです。少なくともあと1年は精神的、物理的にコロナ前のように行き来ができることはなさそうです。

しかし日本旅行への期待と需要は十分にあり、ライバルも減りつつある今、他の業態で食いつなぐ等してでもインバウンドに備える、あるいはインバウド向けのサービスや販売方法を維持しておくことで今までにない儲けが期待できるでしょう。

備え方としては、中国人が使用するSNS(WeChat等)での市場調査、CMやライブコマースでの知名度獲得など、インバウド向けに中国・韓国語ができる従業員の確保、店舗や商品・サービスの開発やその検討などがあります。

コロナがどう収束するか誰も分からない以上、海外旅行再開もいつ突然やって来るかも分かりませんし、旅行者たちがすぐに戻ってくる可能性は大いにあります。中国人が利用するSNSやミニアプリを用いたDX、店舗獲得や従業員の雇用などリアルでの戦略、今日明日で用意できないからこそ、今から準備をするとライバルより有利になることは間違いありません。

参考リンク:観光庁訪日リピーター調査https://www.mlit.go.jp/common/001230647.pdf/ 

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筆者プロフィール

teatime

編集長 例のりす

決済を利用するすべての人へのメディア「UP College」の編集をしている人。なんでも興味を持ってしまい、広く浅くを通してしまって何かと手に負えなくなっている。

対象がインドア・アウトドア問わずなのでコロナ自粛生活だろうと解禁されようと相変わらず時間が足りていない。

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