決め手は決済の非現金化!?コロナを退けた大規模イベント「はいさいフェスタ」

はいさいフェス

神奈川県川崎市の駅前商業施設ラチッタデッラで毎年開かれている国内最大級の沖縄イベント「はいさいフェスタ」。毎年ゴールデンウィーク中に開催し、参加者は平均25万人以上。国内の沖縄をテーマにしたイベントでは最大級の規模だ。

ことしは新型コロナの問題でゴールデンウィーク中の開催を断念し、9月19日から22日の4日間開催した。国内でもこの規模のイベントを同時期に行えたものはほとんどない。

コロナの問題が完全に解決していない中で、前例のない大規模イベントの開催。どのようにして彼らは乗り切って安全に実行できたのか。イベントを運営する株式会社チッタエンタテイメントの事業企画部の澁谷光徳氏に聞いた。

川崎が最大の沖縄イベント開催地なワケ

川崎と沖縄は実は切っても切れない縁がある。川崎は沖縄からの移民がとても多かった地域。現在では2~3世になる世帯も多いという。2~3世の人々に縁を感じたり、懐かしさを感じてもらう想いも込め、はいさいフェスタは2003年に初開催。現在まで毎年開催し、17回を迎えた。ところがことしのゴールデンウィークはコロナの影響で中止。「なんとか開催したい」という想いの元、実行委員会は9月19日に実行を決めた。

出展ブースやアーティストは”沖縄風”ではなく、沖縄現地店舗や企業が出展する。「ホンモノの沖縄が体験」ができるのが特色。

コロナが完全に収束していない中での、前例のない開催。対策は?どうすれば安全に開催し、安心して来て貰えるのか。運営は悩みに悩んだ。

毎日が戦場だったコロナ対策

去年の様子。密をどう避けるかが課題になった

事前に組んでいた大きなコロナ対策としては、事前参加登録により参加人数を制限し、コントロールできるようにした点と、決済をオンライン化して現金以外でも支払いができるようにした点など。

QR決済は事前に出店者に対し、説明会を行い、理解を深めた。

これらは功を奏し、感染対策と利便性の維持向上、両方を同時に成し遂げることができた。

しかし前例のないコロナ対策をしながらの大規模イベントの開催。対策会議を日々重ねての実行だったが、それでも当日に変更や微調整せざるを得ない問題が幾度も発生した。

「絶対にコロナ感染を出してはならない。信用に関わる」と、実行委員会は開催の4日間、毎日どころか毎時ごとに対応を変えることもあるほど、常に連絡を取り合い、そして効率的に対策を実行していった。

参加者全員の名前と連絡先を取得することで、万が一の際にも追跡し、対応できるよう徹底した。

こうした熱意と行動、そして事前の対策により、イベントはコロナに打ち勝った。

コロナ対策と同時に、イベント運営の圧倒的効率化を産んだQRコード決済の導入

コロナ対策と利用者利便の向上のため、今回初めてQRコード決済を導入。効果を発揮した。

QRコード決済は飲食店を中心としたイベント出展ブースすべてに導入。UnivaPaycastが導入に協力した。

飲食・物販ブース合わせて46個でコロナがない昨年の開催時は70を数えた。出展者を管理する上でも少なくない数だ。

今回のQRコード決済の利用率は約10%。カード決済が無い状態で、現金主義がまだ根付く日本でこの割合はとても高く「QRコード決済への熱がうかがえた」という。

利用者にとってはQRコード決済は現金のやり取りが必要なく、非接触が好まれるコロナ時代に合致した決済方法だ。出展者にとっても「現金を介する必要がなく、安全で便利」ととても好評だった。

問題視されていた出展者への理解も、説明会ひとつで納得し、理解して使用できるほど「予想外に、恐ろしいほどすんなり導入でき、簡単だった」という。

運営管理者としても、現金と違って即データに反映され、かつ正しいデータが計上されることから「確実な管理ができるし、手間も無くなりすごい便利だった」と話す。

このようにQRコード決済の導入だけでもイベント運営は楽に、安全に、便利になることが証明された。

「来年もぜひ導入したいし、むしろ現金使用を完全に辞めることも視野に入れている」と話す。

イベント参加者からの感想もQRコード決済で不満点はなく、「簡単でよい」と好評。全体で9割近くがQRコード決済で「満足または大変満足」とした。

業界の方々へ

コロナによる中止が相次ぐ中、アーティストの方々からは「やってくれて助かった感謝している」と言われ、イベントに関わる人々からも今回の開催はありがたがられた。

想いだけでは障害は取り除けない。ソーシャルディスタンス、来場者管理、そしてキャッシュレス導入など、しっかりした対策が揃えばイベントはコロナに勝てる。

キャッシュレスについては「イベントへのキャッシュレス決済の導入はとても効果的だった。今回のイベントはイベントキャッシュレス化の指標になるのでは」と話す。

「コロナ対策をしつつ、イベント来場者に楽しんで貰えるイベントが今後もできれば」と語った。

取材協力 株式会社チッタエンタテイメントさま https://lacittadella.co.jp/group/citta_entertainment

筆者プロフィール

teatime

編集長 例のりす

決済を利用するすべての人へのメディア「UP College」の編集をしている人。なんでも興味を持ってしまい、広く浅くを通してしまって何かと手に負えなくなっている。

対象がインドア・アウトドア問わずなのでコロナ自粛生活だろうと解禁されようと相変わらず時間が足りていない。